SORACOM GPSマルチユニットのデータをQuickSightで可視化する連載の最終回です!前回は、AWS Glueでデータカタログを作成し、Athenaでデータを確認・加工する準備が整いました。今回は、いよいよQuickSightを使ってAthenaに接続し、ダッシュボードを作成していきます。
QuickSightの設定とAthenaへの接続
まず、QuickSightでAthenaをデータソースとして接続します。
- AWSマネジメントコンソールを開き、QuickSightサービスにアクセスします。
- QuickSightの画面左上のメニューから「データセット」を選択し、「新しいデータセット」をクリックします。

- データソースの選択画面で「Athena」を選択します

- データソース名 に任意の名前(例: gpsmultiunit_allflatt_view)を入力、Athenaワークグループはデフォルトの「primary」を選択し、「データソースを作成」を選択します。

- カタログ「AwsDataCatalog」を選択、データベース「soracom-db」を選択するとテーブルに前回作成したテーブルとビューが表示されるため、「soracom_gpsmultiunit_allflatt_view」を選択、最後に「選択」を選択します。

- 「データセット作成の完了」と表示されるので、「Visualize」クリックします。
- ダッシュボードを作成する「新規シート」という画面が表示されますが、ここでは一旦右上の「X」画面を閉じ、同様の手順で「soracom_gpsmultiunit_latest_view」をデータセットに追加します。
ダッシュボードの作成
ダッシュボードに表示するグラフを作成していきます。グラフの種類によって、データセットを以下の通りに使い分けていきます。最新の情報は「soracom_gpsmultiunit_latest_view」を使用し、時系列の推移を見る場合は「gpsmultiunit_allflatt_view」を使用します。

- QuickSightの左ペインから「分析」をクリックし、「新しい分析」を選択する

- 先ほど作成したデータセット「soracom_gpsmultiunit_latest_view」をクリックし、「分析で使用」を選択する


- 「インタラクティブシート」を選択し「作成」を選択する。

最新の電波情報を表示
- ビジュアルから「ゲージグラフ」を選択する

- payloads_rsを「値」にドラッグ&ドロップします。

ドラックするとグラフが表示されます。ただ、このままだとタイトルが「合計 of Payloads_rs」となっており、どのようなグラフなのかわかりにくいため、タイトルを修正します。
- グラフの右上にある「ビジュアルのフォーマット」をクリック、右側に表示されるプロパティから「タイトルを編集」を選択します。

- 任意の名称(例:現在の電波情報)を入力し、「保存」をクリック

そうするとグラフのタイトルが入力した値に変更されたことを確認出来ます。

最新のバッテリー情報を表示
ページ上部の「編集」タブ内にある「ビジュアルを追加」を選択すると、グラフを作成するエリアを追加出来ます。今度は「バッテリー情報」を表示させます。手順は電波情報を表示させた手順と同様です。

- ビジュアルタイプ: 「ゲージグラフ」を選択します。
- 緯度: payloads_bat をドラッグ&ドロップします。
- タイトルを「現在のバッテリー情報」に変更します。

温度と湿度の推移を表示
次は温度と湿度の推移を表示させます。今までは「soracom_gpsmultiunit_latest_view」のデータを使ってグラフを表示させていました。このデータは常に最新のデータしかもっておらず、推移といった時系列のデータを表示させることが出来ません。時系列のデータ分析を行うために、過去のデータが蓄積されている「gpsmultiunit_allflatt_view」を利用します。(QuickSightでは複数のデータセットを利用して1つダッシュボードを作成することが可能です。)
- ビジュアルを1つ追加し、ビジュアルタイプ: 「折れ線グラフ」を選択します。
- 追加したビジュアルを選択した状態で、データ内にある「データセット」をクリックし、「新しいデータセットの追加」を選択します。

- 「gpsmultiunit_allflatt_view」を選択し、「選択」を選択します。データセットの関連付けは自動的に行われるため、「閉じる」を選択して分析画面に戻ります。。


- 再度、追加したビジュアルを選択した状態で、データ内にある「データセット」をクリックすると「gpsmultiunit_allflatt_view」を選択できるようになっているので、選択します。

- X軸に「jst_timestamp」、値に「payloads_hum」「payloads_temp」をドラッグ&ドロップし、タイトルも変更します。


同様の手順を繰り返して、テーブルと地図を追加し、以下のようなダッシュボードを作成します。

ダッシュボードの作成と共有
- ダッシュボードが完成したら、右上の「公開」ボタンをクリックします。
- 任意のダッシュボード名を入力し、「ダッシュボードの公開」をクリックします。

これでダッシュボードの作成は完了です。
まとめと今後の展望
この連載では、SORACOM GPSマルチユニットから取得したデータをAWSの各種サービス(S3、Glue、Athena、QuickSight)を利用して可視化する手順を解説しました。QuickSightを活用することで、位置情報、温湿度、加速度などのデータをリアルタイムにモニタリングし、分析に役立てることが可能になります。
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